「延長操業」

「延長操業」

 2月16日(金)

 さあ、週末です。今日は昨日からの延長操業、通常は早朝にキュポラを止めて炉底を抜いて新たなキュポラを立ち上げるのですが、受注量が少ない現在は週末の操業を延長していつもより6時間余分にキュポラを使用します。以前にも綴ったことがありますが、キュポラを築炉するのにも1回150万円近く必要とします。また、朝の立ち上げ(温度を上げるために)にコークスを5トンほど使用します。コークスは非常に高いので現在は1トン12万円ほどしますから約60万円です。また、最後に成分調整が完全でないために使用できない溶湯が600キロほど出ますが、その費用も約7万円必要です。つまり約220万円程度が1回の操業で必要となるのです。この延長操業により3割の生産量が増えますから、約65万円のコスト低減が出来ることになります。2月は3回延長操業を実施してくれているので約200万円のコスト低減が出来たことになります。現状お客様から頂戴している受注量はお見積りをした折の条件より少なく、本来であれば再見積もりをさせていただき値上げということが当然なのでしょうが、我々中小製造業はお客様のほとんどがティア2であり、お客様自体も最終ユーザーさんに値上げをしていただけておらず、マツバラと同じ苦労をしているわけで簡単に「値上げ」とはいかないわけです。そんな中での操業はこうして工夫をしてコスト低減をすることで付加価値の向上に努めるわけです。マツバラの社員さんは本当に素晴らしいです。こうしたコスト低減により本来見積もりをしている費用よりも重量当たりのコストでは少し安くなるので、随時この手法で生産するのであればお客様にお返しするべきところですが、受注量の低減により総付加価値は大きく減少しており、痛み分けというのが正しい方向性なのだと考えます。

 さておき、こうした延長操業によりキュポラの操業の終わりを日中に見ることが出来ます。私も入社当初には夜勤に帯同した時期もあり、こうした風景を何度も見ましたが、最近はあまり見ることもありませんので、時にこうした風景に立ち会えることは良い機会と思っています。また、飛行機と同じでキュポラ操業も立ち上げ(離陸)とお仕舞い(着陸)が最も危険で神経を使う作業になるので、こうして見せていただき社員さんに改めて感謝することもできます。有難いです。

 先ず、AM11時にちょうど材料が溶け終わるように炉の中に材料を投入するのを停止します。時間の判断も重要なのですが、そこは経験則によりしっかり出来ています。やはりぴたり11時に溶湯が溶け落ちて出てくるのが止まりました。圧力の関係もあり、徐々に出てくる溶湯の量が減ってきます。そしてついには完全に出湯が止まります。すると次にはドレインと呼ばれる出湯穴から底に溜まっている溶湯を抜いてきます。その溶湯も経験則から鉄分はしっかり前炉の中に受けてインゴット(再溶解して鉄源とする)として使用します。そこから更に溶湯にスラグ(シリカ、アルミナ等が溶けたもの)が混じり始めると、別のケースの方に流します。このスラグと鉄が混じった物質は再度溶解しても効率が悪いので、リサイクル業者さんに引き取ってもらい資源として活用してもらいます。この場合でも業者さんが使用しやすいように発砲を利用して破砕しやすくします。従って、最初は発砲が溶けるので黒煙が立ち込めます。知らない人が見ると火事のように見えるかもしれません。いずれにしても大変な作業です。こうした作業を事故なく毎日進めてくれているのです。本当に有難いことです。たまにはこうした写真もお見せしようと思います。こうした作業に関わっていない皆さんもこうして決め事を遵守し安全作業で大変な仕事をしてくれている人がいることに感謝してもらえたらと思います。

 さあ、今週も無事に終わっていきそうです。午後からは生産調整に入りましたが、しっかり計画立てて保全活動、清掃活動などを進めてくれています。本当に有難うございます。

 さあ、週末です。

Have a great weekend ! 善い週末をお過ごしください。

社長 松原史尚

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