「一隅を照らす」

「一隅を照らす」

2月28日(火)

 今日で2月も終わります。1月2月と本来もう少し結果が出せたのにということが数多くあり残念な気持ちがありますが、その2月も今日で終わります。

 私は3月が大好きです。日照時間もどんどん長くなり、少しずつ暖かくなっていきます。眠っていた様々な生き物が再び目の中に現れてきます。「春」素敵な響きですよね。そんな3月が始まります。気持ちというものは非常に大切だと思います。私の気持ちが何となくウキウキし始めたように、会社も良い方向に軌道修正が始まっているように感じることがありました。当社の社員さんたちは、良い言葉で言うと「おっとり」、悪く言うと緊張感が時に抜けてしまう人たちが多いように感じます。それは社長の性格そのものかもしれませんが。下期に入り9月頃から様々なことが順調に進み結果として数字も残すことが出来ました。その順調が3か月も続くとその環境が当然のように感じて改善の手がゆっくりになってきます。「諸行無常」、一方で目の前は常に変化しており、立ち止まっていたのでは現状の留まる事すらできないのは当然なのです。また、特に年末から年始にかけて新たな仲間が大変たくさん加わり、組織に大きな変化が生まれています。最初はしっかり教えたつもりで、教えたときは出来ていたとしても、完全に習慣化していないのであればその教えたことはどこか乱れてきていることがあります。こうしたことが全社的に伝染していくと1月・2月のような「機会損失」ということが起きてきます。そうならないための仕組みを来期は創っていくことを昨日の計画監査で決めました。その目標達成に向かって皆で進んでいきます。それでも長く続いた職場風土は完全に変わるには時間がかかるもので一朝一夕に行くわけではありませんから、先ずは目の前を変えていく必要があります。この目の前を変えていくことも決して特別なことをするわけでなく、当たり前を当たり前にすることから始めていくことが大切だと思います。

 今日はそんな光景を目撃しましたので「良い方向に向かっている」そう感じたのです。写真の光景は型を造る造型機の上の光景です。ご覧のように「ピカピカ」です。この場所に訪れる人は担当者以外はいません、もしくは私のように型の基になる砂の性状を確認に来る者くらいです。つまり誰からも見られる場所ではないのです。最近砂の性状に違和感を感じていたので、毎日のように砂を握りに来ていたのですが、先週までは大変乱れていた場所が驚きの美しさに変わっていたのです。不思議なものです、先週まで違和感を感じていた砂も今日は完璧と感じるほどに改善されていました。私は、まさにこうした事例を「一隅を照らす」と感じているのです。誰かに見られるわけではない、でもこうした隠れた場所をこれほど完全に美しくしてくれる「心の波紋」は必ず全社に伝わっていくのです。現状の緩みに気づき「変わろう」としてくれる、たった一人(ひょっとしたらきれいにしてくれた人は二人なのか三人かもしれません)の心の改善は必ず大きな会社の進化につながっていきます。最近は、このブログを多くの社員さんたちが読んでくれています。どうか「皆さん、先ずあなた自身が、この小さな改善を進めてください」。皆が安心できる会社にしていくためには、圧倒的な社員満足度の実現をするためには、こうした一隅を照らす活動がどんどん拡がっていくことが大切だと思います。「良い感じ」です。こうした人が出てきたことは出口は近いと思います。市場の景況感はあまりよくない感覚です。自動車、家電、建築機械、農機、水道、ガス、産業機械、あらゆる分野の受注にブレーキ感があります。こうした時代背景の中でも確実な成果を残していく、マツバラは何故かいつもついています。完全に悪くなってこうしたスランプを迎えるのでなく、全体がまだまだ良い時にスランプを迎え、そして全体が悪い時に「絶好調」の体制を築いていく。まさに準備の時です。一人ひとりが「一隅を照らす」を進めていきましょう。

 本日は、その一隅を照らす「先生」を紹介しておきます。本日は、地元の企業様からの工場見学がありました。「社員さんを幸せにしたい」。そんな思いで工場見学に来られました。当社と思う方向が同じですので、非常に話が盛り上がり、あっという間に3時間もの時間が過ぎてしまいました。まだまだ多くの精進が必要なマツバラですがこうして目指す方向が同じ会社様とお話が出来ることで「相乗効果」は必ず生まれてくるものだと感じます。本当に素敵な出会いであったと感じています。ご来社ありがとうございました。機会を頂戴できました、製造元気、マツバラ元気プロジェクトでお世話になっている酒井先生に感謝申し上げます。

 さて「一隅を照らす」本題に戻りまして、本日ご来社いただいたお客様の会社案内を務めてくれましたのはマツバラのおそうじ委員長です。案内の様子をこっそり写真に撮ったつもりだったのですが撮れていませんでいた。「〇〇したつもり」ということはよくあるのですが、人に依頼した時は腹が立ってしまうのですが、自分でしでかすと情けなくなります。故に、人のうっかりも怒ってはいけないと戒めを感じながら、写真も無く振り返りますが、会社を案内しながら全社的なおそうじ活動の紹介を進めてくれています。すっかり板についてきました。私の写真のうっかりは典型的な事例ですが、自分でも難しいことを自分以外の人に進めてもらう責任者です。それは大変なことだと思います。今回の案内を横で見ながら感じていましたが、こうした活動を進めるコツは「出来ていないことに焦点を当ててそこを嘆く(怒る)前に、先ず出来ていることに焦点を当て、その点を感謝することから始めること」なのだと思います。案内でも皆が一生懸命に頑張ってくれた結果を見事に説明してくれています。当社では、このおそうじ活動を経営の根幹の活動として進めています。それは社員さん一人ひとりがマツバラにとって絶対不可欠な大切な存在であることを社員さん自身に感じていただきたいからです。「天国の時間と地獄の時間」、天国の時間はあっという間に過ぎていきますが、地獄の時間は非常に長いものだと言われています。休みの日が良いか、仕事の日が良いかと聞かれれば休みの日に好きな人と過ごす、好きなことをして過ごすほうが良いに決まっています。しかし、人は圧倒的に仕事をする時間の方が長いのは避けられません。であれば、せめてその仕事の時間があっという間に過ぎていくものに変えられれば人生は愉快なものに変わっていくのでは、そのように私は考えています。そのためには職場の中で「あなたでなければダメ」を創って行くこと、それも数多く創っていくことが大切だと考えます。日本の製造業は、「誰でも出来る」を追求しすぎてきたのでは考えます。それはBCP的な考えでは重要なことですが、決められた作業の中にも「オリジナリティ」は存在することが大切だと私は思います。そうじとはまさにそのオリジナリティの追及の典型的な手法だと思うのです。そうじは、今日職場に加わってくれた仲間も、今日から出来ることであり、そこにオリジナリティは必ず存在します。どうしたら快適に仕事が出来るか、どうしたら仲間が快適に仕事が出来るか、どうしたらお客様に快適に見学をしてもらえるか、そう考えるだけでも時間は進んでいきます。それはぼっとしているよりもずっと早くにです。そして時にその内容は生産性や品質にも大きく関わり、その先には安全衛生にも大きく関係してくることです。このように、そうじから品質、生産性へとあなたのオリジナリティ「あなたでなければダメだ」をどんどん増やしていけるのです。つまり全ての基本はそうじにありと言っても過言ではないのです。その大切な経営の根幹である「そうじ」の活動を全社展開してくれる「そうじの達人」、お客様にもしっかりと熱意が伝わっていたと思います。ありがとうございました。

 

 最後に恐らく今日のブログも読んでいただけているのであろうあなたに送ります。「社員さんを幸せにしたい」そう思った時点で既に未来は良い方向へと動き始めています。その中で私が大切にしている言葉それは「自他一如」ということです。つまり自分も他人も同じということです。「利他」は良いのですが、一歩間違えると大変な事態になります。その一歩とは「利他」=「滅私」になっては絶対にいけないということです。マイナス×プラスの結果は絶対にマイナスです。お客様にとって良くても、自社にとっては良くない。それは同時に社員さんを苦しめることです。時にお互いを思いやり争うのでなく痛み分けることは大切です。マイナス×マイナスはプラスなのですから。未来には絶対に良好な結果が生まれるはずです。宇宙には絶対の法則があります。この自他一如ですが、私は会社の中では「自」=社員さん・会社であり、「他」=お客様・社会(地球)と考えています。もしもあなたの会社の仕事がどこでも出来る仕事であるのであれば先ずはそこから変えなければなりません。そこは、「一隅を照らす」ことから始めるのが良いと思います。先ずはあなたの会社でなければならないを造ることです。しかし、あなた会社のお仕事は既にオリジナリティ溢れる仕事であり、お客様・社会・地球に役立っている、なくてはならない仕事なのです。ここに対して滅私は絶対にいけないのです。がんばってくれている社員さんのため、そして適正な設備投資が未来にしっかり出来る会社になるために、適正な価格を「他」先ずはお客様にお願いをし、そしてそれぞれの自(社員さん)の賃金がしっかりと上がっていく、付加価値を生む新たな投資がされていく。その上で、そのお客様がまたお客様自身を「自」と捉えて自身の会社のために「他」お客様のお客様(社会)に適正な値上げを進めていく、いま日本に必要なことはこうしたオリジナリティあふれる自他一如の循環を築いていくことなのだと思います。気を付ける点は、値上げをするにしてもお願いに行った先の担当者様が、その上司の方にしっかり説明できるエビデンスを確実につけてお願いすることです。ここでも自他一如の論理は成り立つのです。相手も自分も同じです。社員さんも社長も同じです。その感覚がしっかり身に着けば進む方向は見えてきます。お互い頑張りましょう。

 明日も素敵な一日になりますようにお祈りしています。

 

社長 松原 史尚

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