「方針書が完成しました」

「方針書が完成しました」

3月17日(金)

 方針書が完成しました。更に、役員さんたちにも見てもらい完成度を高めてもらいますが、私の役割としてはここで終了です。毎度わがままを言って、1週間完全に会社の業務から離れた場所で方針書を作成します。最初はこのようなことに意味があるのかと思っていましたが、昨今ではこうした手法が非常に大切だと思えるようになりました。スタッフの皆さんから届くメールに返信する程度で一切の業務を副社長にお願いして会社を留守にして方針書を完成させました。多くの社長様はこの手法を取られるのだとか、そのほとんどが温泉旅館や超一流ホテルに滞在されるとか、私にはそれほどの器量はありませんが、ある意味それ以上の環境で方針書を作成することが出来ました。先ずは真似るところから始めてみましたが、昨年の方針書と昨年の結果を見てもその価値は十分にあると感じています。今年も同じように感じられるものになるよう全力を尽くします。

 来期、恐らく日本は未曽有の不況になるのではと考えています。特に製造業には、①受注不足②原材料高③エネルギーコスト高④人材不足の四重苦の中での操業となるでしょう。そして設備の故障などでは部品が入らないことで操業停止も起こり得ます。十分なハザード管理を進めながら、こうした四重苦に如何に取り組んでいくかが重要になると思います。

  1. 受注不足では様々な理由で鋳物の調達が出来なくなるお客様からの緊急の打診は増えると思われます。こうしたお客様からの要請に瞬時に応えられる体制を構築すること。できない理由でなく、どうしたらできるかを常に考え、お客様の「困った」のリクエストにタイムリーに応えをだせるようにしていきます。
  2. 原材料高は当面続くであろうと思われます。購入価格は僅か3年余りの間に2倍以上になっていますが、逆に改善により生まれる金額も大きくなります。現在、昨年1年の間に起きた不具合(変化点)をしっかりと分析し、同じトラブルが起きないことは当然として類似するトラブルの回避への取り組みを製造関連の職制が進めてくれています。また、無数に存在する材料の最適な組み合わせを模索し、最も効果的な組み合わせを見つけることでのコスト低減も考えられるでしょう。逆に昨年成功した大きな改善を今一度見直し確実な標準化と更なる改善の可能性を探ります。
  3. エネルギーコストは生産性の向上が著しく起因します。2月に起きた生産性の低下が大きなエネルギーコストの上昇をもたらしたことの逆をすればよいのです。過去トラブルの再発防止、類似トラブルの未然防止、また燃料の組み合わせや設備の季節要因を考慮した最適な条件を顕在化させることで必ず大きな改善が出来ると思っています。既に、この活動には職制が全力で向かってくれています。その成果が楽しみです。
  4. 幸いに夏までには実習生が6名(もしくは7名)入社してくれます。更なる働き方改革と、TPSによる改善で生産の仕組みを更に改善させるとともに、ダイバーシティがさらに強固に進めていける改善を進めます。

「ピンチはチャンス」、間違いなく大変な時代が到来しますが、だからこそしっかりとした手が打てれば、大きな飛躍へのチャンスに出来るのです。

 侍ジャパンの大谷さんのセーフティーバント、イタリアもメジャーの選手が台頭するチームです。一発勝負の怖さの中で、「まさか」と思われる攻撃でした。しかし、一発勝負だからこそ必要とされる先取点、そしてその重要性を理解する「二刀流」、投手の心理を一番理解する攻撃の中核打者だからこそ出来たことでしょう。しかし、ここから学ぶことは山ほどあります。この大変な時代には、誰しもが二刀流でなければならないのです。現在、職制と今年一年のトラブル、変化についてのやり取りをしていますが、その多くの中で技術的な成功や課題を上げてくれていますが、そこから導き出される収益性についての感覚が薄いことに気づかされます。この先向かえる大変な時期は、誰しもが品質・生産性、そしてそこから導き出される収益性についても目を向けなければ絶対に生き残れない覚悟を持たなければなりません。そして、その基本には絶対に安全が存在するはずなのです。その基本になるのは「そうじ」です。来期の大きな方針に「白のユニフォームが似合う」職場への原点回帰というものも入れています。今回の大谷君の姿勢で皆が取り組んでいきたいものです。先ずは、4月、恐らくは受注不足の中で突入していきますが、この時にでも先取点(収益)を上げるマツバラになっていきたいと思います。そのためには先ずは確実に失点(費用流出)をしないことから始めていくことが大切になるでしょう。

 良い週末をお過ごしください。間もなく桜の季節も到来ですね。素敵な春になりますようにお祈りしています。

社長 松原 史尚

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