「株価史上最高値更新」

「株価史上最高値更新」

2月23日(金)

 昨日のことになりますが、日経平均株価が史上最高値を更新しました。当社のお客様は直接、間接を含めましてその多くが上場企業様で、売り上げも収益も過去最高を更新されているお客様も多く、本当に喜ばしく歓迎するところです。お客様が好調であってこそ私たちも活(生)かされていきますから本当に喜ばしいところです。この先も好調であり続けていただけたらいつか私たちにも還元されてくると思いますので、この先も継続的に良い方向に進んでいただきたいと願っています。

 一方でとても不安なことが2つあります。

1.円安 

今の大企業様の収益は円安によるところが大きいと思います。しかし、この150円という相場、どう考えても何かしらの大きな未来の変化を創るために何かしらに誘導されているとしか思えない金額だと感じているのは私だけではないと思います。日本中、どこもかしこも外国人だらけで、世界中の人たちが口を揃えて日本の安さを謳います。基本的に価値(価格)とは需要と供給のバランスで決まるものですが明らかに狂っています。意図的にそのバランスが崩されていると感じるのです。その結果がもたらしているとも言えますが、バブル期と今の大きな違いは貿易収支が黒字から大きく赤字化しているということだと考えます。あの頃は日米貿易摩擦などと言われたことが象徴的であったように海外から資源を調達し国内で加工し、付加価値を創り出し海外でそれを稼いでいたのです。故に会社だけでなく国民も潤っていました。しかし、今は赤字ということです。単純に仕入れるお金の方が、売上よりも多いということです。つまりは日本の資産がどんどん海外に流出しているということです。メディアもバブル期は空想的な(フェイク的)価値であり今は企業の実績を伴った価値と表現しますが、明らかに国民が感じている価値はバブル期の方が圧倒的に高いと思います。また、大企業様が黒字の反面、その礎を支える中小企業の多くが赤字、もしくは黒字でも設備投資等を抑え減価償却費などの経費を抑え込み黒字化させている企業が多くあります。それ以上に酷いのは「ゾンビ企業」の存在です。本来市場から消えなければならないはずの何期も連続の赤字企業が補助金を受けたり、金利だけを支払う形で金融機関に生かされたりと様々な形で延命されており、こうした企業が市場価格を破壊するような値段で注文を受け、不当な競争を産み出しているケースもあります。製造業において昨今では、こうしたゾンビ企業の反逆ともいえるような行動も時折見られるようになってきました。突然に値段を3割上げるとか、5割上げるとか、「そうでなければやらない」といったことを言い放ち、下請け取引法や昨今の中小企業庁が設置した駆け込み寺の制度などを使用して脅しながら値段を強固に上げるといった話も聞いたりします。とにかく支える中小企業たちはフラフラになっているケースがほとんどなのです。何かしらの大きな力が働き、「日本がどんどんどん安く買いたかれている」そんな気がしてなりません。いつの日か、日本が日本人の物でなくなった時、近い将来円高の波が来るとき、この国は本当に壊れてしまうのかもしれません。恐らくは日本人が世界の奴隷のような感覚になるような時代が来るのではないか、そんな気がしてなりません。

2.内需

経済とは「お金の循環」が伴っていなければならないのは常識です。上でも書きましたが、貿易赤字の中で円安を背景に商品はどんどん海外に流れていきます。本来、国内で生み出されるはずの販売会社の収益や、物流の収益、循環を考えるのであればその商品を運ぶ皆さんが消費する全ての商品による付加価値でさえ海外に流れてしまっているということです。本来、内需で生まれるはずのGDPが全て海外に流れてしまっているのです。今尚、国内では自動車のほとんどが長い間待たなければ手に入らない事態が続いています。円安で外に売った方が儲かるのでしょう。お金を持っていない日本人に売るよりも海外の富裕層に売った方が儲かるのでしょう。しかし、本来その循環により日本で生まれるはずの付加価値が全て海外に流れてしまっているのです。それは、日本の国内の付加価値=人件費が全て海外に流れていると言っても過言ではありません。株の最高値、上場企業様の高収益。その恩恵を日本人のほとんどが実感していません。円安による材料価格の高騰の影響もありますが、住宅産業は壊滅的な状況と聞きます。国民が生活にゆとりが持てていないことが影響しているのでだと思います。大企業様に勤める社員さんたちは良いのでしょうが、社会の99%以上は中小企業であり、国民の7割がその中小企業で働いているのです。この会層が低迷すれば、消費など伸びるはずがありません。そして影響は住宅だけではないのです。ここでも「循環」という言葉が解りやすいでしょう。住宅が動かないから、エアコンが動きません。エアコンは新しい住宅であればリビングに1つ、そして主寝室に1つ、子供部屋に2つ、最低でも4つはついていたでしょう。この住宅が動かないことによる循環は家電産業を直撃しています。マツバラのお客様でもエアコン関連のお客様は5割~7割受注が落ち込んでいます。その取り付けをされる業者さんはどうでしょうか、段ボール、ビニール、発砲スチロール、梱包材料、全てに影響が及ぶはずです。「内需」という形で表現しましたが、我が国の「循環」が完全に壊れてしまっています。そのツケは必ずどこかで払わなければならなくなると思います。

 34年前以上に、今こそがバブルだと感じています。将来は大変な時代が来ると思われます。しかし、それでも「鋳物」は必要であり、その時代でもお役に立てる企業であり続けなければなりません。人手不足が叫ばれたのはバブル期も同じです。「3K」という言葉が生まれたのもこの時です。この先人材の確保は更に困難さを増すことも間違いないでしょう。逆に、こんな時代だからこそ「光」になれる。そんな気もしています。来期に向けた方針書を綴っている今、昨今のマツバラの成長は本当に凄まじいものだと実感しています。そして、その成長を築いてくれた社員さんたちも本当にすごいと思います。その社員さんたちの働きに報いる行動も来期もしっかり進めていきたいと考えています。

 さあ、週末です。どうあれ株価の最高値は嬉しいことです。お客様が元気である。それでも循環が伴っていない経済の流れの中で、必ずボトルネックが生まれてきます。人手不足の中での受注不足、調達コストの上昇、それでも賃金は上げ、休みは増やさなければ人は取れない。最もボトルネック化しやすい産業に身を置く中で必ずマツバラが光り輝く時が来る。そしてそれは遠からずやってくる。そんな未来が予見できそうな方針書を一生懸命この週末も綴ってみます。

 Have a great weekend.皆さん、良い週末をお過ごしください。

社長 松原史尚

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