「日本が危ない(因果応報)」

「日本が危ない(因果応報)」

 4月24日(水)

 最近ダブル価格というものを良く聞きます。日本人向けと外国人向けで価格が異なるというもの。またこうしたダブル価格の存在を意識してかネゴシエーションなるものが生まれ始めているとも聞きます。日本は定価主義であったはずですが。なんだろうか、非常に大きな違和感があります。いつの時も正直でありたいと思うのですが、前述の値切られることすら「相手に騙されているのでは?」という感覚を与えている気がします。明治の開国以来、築いてきた日本人の大切な心を崩壊させている気がします。信用を築くのは長い時間がかかりますが、壊すときは一瞬です。昨日のことになりますが、台湾からのお客様を送るためにタクシーを手配しました。このタクシーの運転手さんの不愛想さは過去に経験のないものでした。それは台湾の人にも感じたようで翌日の会話の中にも出てきました。「人手不足だから仕方がないのですかね」、恐らく送っていただいている間もそのような感じであったのでしょう。一昔前であれば、こうした事態をタクシー会社にクレームとして入れたり、場合によってはタクシー会社を変えたりするようなこともあったのでしょう。しかし、今では利用する私たちも「仕方がない」と思ってしまいます。まだ「時間通り来てくれただけで有難い」。そう思うより手がないのです。他に手段がないのですから。しかし、歴史は繰り返しています。何度もブログの中で話しますが、時間とは心なのです。昨今、過去の日本人たちが築いてきた世界からの信用を一瞬で吹き飛ばすようなことばかりが起きています。自動車データの改ざん、しかも命に関わったり、世界との約束(環境規制)に関わったりといった絶対にあってはいけないところで不正が行われました。国民から税金を徴収する国、そしてその仕組みを決める国会議員の不正。ここ数十年消費税、年金等国民には負担が強いられていくことが多い中で、こうした不正を国会議員がする。そりゃ国民の心も壊れていきます。歴史は繰り返します。過去に覇権が消えていったヨーロッパの国々などでも全く同じようなことが起きました。「日本が壊れていく」そんな感覚で寂しくなります。

 されとて、こうした背景の中であるからこそ「本物」は輝くのです。「一流」一つの流れを徹底して受け継いでいく。こうした失われていく、日本人の心をしっかり守っていく経営が今こそ必要なのだと考えています。「自他一如」、自分が相手の立場だったらどうして欲しいのか。そう考えて行動する。時間を過ごしていく。心を費やしていく。先ずは自責、自らの責任として周囲に接していく。自分(社長)も相手(社員さん)も同じである。自分が相手であれば何をして欲しいのかを考えて行動する。その感覚が徹底されてくると、徐々に自責で考え行動し、懸命に社長と同じ感覚で心を使い、時間を費やしてくれる社員さんが増えてきます。最近、こうして壊れていく日本を見る中で、本当に幸せに感じています。心のこもったあいさつをしてくれ、一生懸命に職場を掃き清め、そして「少しでもお客様に喜ばれる良いものを造ろう」少しでも「地球環境にやさしい生産が出来るようにしよう」と全てを「自責」で考えてくれる社員さんが本当にたくさんいてくれるようになりました。最近、私は暇で仕方がないのです。こうした書き方をすると問題があるかもしれませんが、日々送られてくる報告や課題の推進状況などを観るに、それぞれの社員さんたちが皆真剣に自責で考えてくれているのが解るのです。特に、私自身が長く務めてきた経験ある製造現場などでは、時に若干の「こうした良いのでは」と思うことはあります。しかし、むしろ考えてくれている姿が微笑ましくなるほど懸命に課題に向かっている姿に、遠くない未来に自分が超えられていく確信を感じるほどなのです。今は自分たちの頃よりも全てが進化しています。古い感覚で何かの経験則を話すよりも自ら考えて乗り越えていくことで、今まで私が考えたこともなかったような素晴らしい未来が待っているような気がするのです。故にじっと観ているだけで暇なのです。凄い話です。

 さて、本日は延長操業です。時代に即した操業をしていく。どこまで出来るのか、何かを言われたから始めるのではなく、自ら考えて「エビデンス」特に安全面に関しては確実なものを持って進めてくれています。何よりも「撤退=止める」基準をしっかりと持ってチャレンジしている。ここが言われてやるか、自らやるかの違いなのでしょうね。本当にすごい話です。そして、このブログを見てくれている社員さん、仲間たちに「どうやってこんなに凄い社員さんたちが育ってきたのか」を伝えるとすれば、「現在は過去に蒔いた種(過去に費やした時間)が形になっている」だけだということです。生産量1350tで2年前は売上比率8%を超える赤字を出しました。この折に費やした「時間=心」こそが「教育」でした。そして今、同じ生産量で確実な利益が出せている。「日本が壊れていく」今こそ「教育」ということに時間を費やす時なのだと思います。まだ間に合うと思います。壊れてしまう前に、今こそ修復をする時です。「負けてたまるか大作戦」、日本中が展開してくれたら良いのにと思う本日のブログです。

 

社長 松原 史尚

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