「嬉しいお知らせ」

「嬉しいお知らせ」

 5月7日(火)

 昨日のことになりますが、マツバラで42年の長きに渡って溶解職場を守り続けてきた大先輩が日本鋳造工学会東海支部から表彰を受けました。その賞状の授与式を全社員さんの前で実施しできました。キュポラ操業における貢献が評価されたものです。嬉しい限りです。

 本当に長きに渡り会社を支えてくれた方です。製造畑が長かった私は特に彼に助けられてきました。新しい試みを実践したり、新しい材料をトライしたりするときなどは製造現場に出向き、一番に意見を聞きました。リサイクル材料を溶解する鋳造業は、時に良い材料が手に入らず苦戦することもありますが、不思議と彼はその良くない材料を上手く使いこなしていくのです。一番は吹き込む風のコントロール、そしてその瞬間の湿度、外気温、こうしたものを培った感覚の中で微妙なコントロールをしていかれます。

 今尚、こうした現場の職人芸ともいえる「研ぎ澄まされた感覚」に頼る所が大きいのですが、それでもこうした感覚を「科学」するための研鑽を日々重ねています。東京大学をはじめとする多くの皆様との共同研究等も通じて職人感覚はかなりデジタル化されてきています。それでもそもそものデジタル化している内容を培ってきた技術が評価されたのです。当社からは二人の博士が学会に参画しており、現在博士を目指す技術者や多くの生産技術者も学会に属しています。こうした技術者のみなさんたちが彼を学会に推薦してくれたことも大きな受賞の要因ですし、こうした現場の職人さんたちを高く評価してくれている姿勢がマツバラの良さでもあると思います。

 本当に嬉しく思います。時代はデジタル化が進んでもどこまで行っても鋳物は現場の感覚が大切です。彼に続く、製造現場で活躍する人財が出てくることを心から願っています。

社長 松原 史尚

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