10月3日(木)
本日から3日間福岡に出張しています。日本鋳造協会の役員会への出席、講演会への参加がメインですが、2004年日本青年会議所に出向した時の同窓会も開催されました。日本青年会議所の会員大会が同じ日程で福岡の地で開催されていることに合わせてのことです。
役員会は現状の活動状況、収支見込など一般的な議題、鋳造業界の現状を踏まえた国への要望事項等の話を承認していく一般的なお決まりの事務局提案型のものです。ただ、その中でも多くの学びを得ることが出来ます。役員会の中から気になった点をいくつか綴ってみたいと思います。
会長の発言、資料の節々、陳情書の中身から業界全体での大きな低迷が感じ取れました。サプライチェーンの弱体化、ボトルネックの存在による受注減。ウクライナ・パレスチナ戦争の影響、そこに新たな火種としてのイラン戦争の可能性、大変な冷え込みを感じるところでもあります。その中での中国鋳造業界の技術レベルの進歩と中国企業の国際的な展示会への出展など更に日本鋳造会が縮小していく可能性についても感じられました。こんな時代背景の中での人材確保の難しさ。頼りの実習生は就労1年もすると給与の高い都会に移住、大企業からの高遇等も重なり、お金をかけて確保した人材が目の前で次々消えていく実態があるという現実が感じ取れました。こうしたことが鋳造業全体を取り巻く環境であることは現実です。ただ、その現実にただ飲み込まれていく訳にはいきません。既に多くの手を打ってきています。そして未来への計画もしっかりと出来ています。この時代だからこそ輝く存在になれると確信しています。しっかりと歩を前に進めていこうと考えています。
着々と議題は進んでいきましたが、意見をされる方がおられました。前述、中国の展示会への参画の話、また日本における鋳造機械などの展示会などの機会も減少している背景の中での展示会への参画をしていきたいということ。具体的な展示会の名前は避けますが、「参加者全体が1万人に満たない展示会に参加するのでなく5万人を超える参加者の展示会に参加する。主導権を握る展示会の必要性よりも、様々な業種が参加する展示会の中の一角を鋳造エリアとして参画していくべきである。」こんな意見であったと思います。私も多いに賛成です。1ブースが50万円もする展示会ですが、様々な産業が参加する展示会であれば、新たな新規顧客の開拓にはなると思います。そして業界全体が参画することで、鋳造関連商品を調達する企業の参加もさらに増えると思います。国はこうしたことへの広告、発信にはお金を使ってくれます。マツバラも是非参加していきたいと思います。マツバラには今発信するべき技術があります。そしてそれは日本経済のために必ずお役に立てるものだと確信しています。
そして夕方から2004年日本青年会議所理事会メンバー同窓会に参加してきました。2004年大きな環と小さな環が響き合う「スローソサイエティ」の実現へという大きなテーマに向かって進んだ仲間たちが結集しました。環には様々に意味がありました、例えば「和」なごやかさや優しさといった意味も含まれていたと思います。輪といったチームワーク的な意味も含まれていたと思います。今普通に叫ばれるダイバーシティや多様化社会についても問題提起したチームでした。中でも循環型の社会の提唱をいち早く叫びました。その運動の中心となった会頭の昨夜の挨拶も「ダイバーシティや多文化共生、環境経営、やっと時代が私たちの運動に追いついてきたと感じる。」と。私の原点はここにある。そう感じさせられる時間でした。今一度大切なことを思い出しました。皆さん、明日からまた頑張ります。素敵な時間をありがとうございました。
社長 松原 史尚