「生産調整日の夜勤の対応について」

「生産調整日の夜勤の対応について」

1月20日(金)

 生産調整日の夜勤時の勤怠の対応についてある社員さんから質問がありました。最近は日に日にこのブログを読んでくれている社員さんが増えているようなので、ブログの中でもお返事をしておこうと思います。この件は、以前にも既にお話ししていますが、こうした質問が来るということはしっかりと理解できていないようですので改めて説明しておこうと考えています。

  1. 出勤 

 生産調整日は休日ではありません。従って、夜勤時であっても出勤していただくことが原則です。例えば、環境整備や保全活動など工場が生産していないときにしかできないことはたくさんあります。従って、こうした機会を活用してこうした環境整備活動や保全活動をしていただくことが本来あるべき姿です。

  1. 自宅待機(休業)

 これは社員さんそれぞれに選択肢があるわけではありません。職場長の指示により自宅待機をお願いすることがあります。特に保全活動や環境整備は大人数で実施すると危険が伴う場合もあり人数が制限される場合があります。作業を安全かつ効率的に進めるために、一部の社員さんに自宅での待機をお願いする場合があります。これは昼勤時でも同じです。但しこの場合の賃金の支給は8割となります。法的には6割の支給で良いところです。私的には100%支給したいところです。しかし、人間です、自分は出勤をして働いている、別の人は自宅で休んでいる、それでも同じ支払いであれば働く側の人に不満が出るのは当然です。経緯的には100%の支給をした時期がありましたが、その折の出勤者からの不満メッセージは非常に大きなものでした。人間である限り当然だと思います。また調整日を二つある班に平等に設けることが出来ることが理想ですが、お客様からの受注により設定されますので、ある程度は公平性を考慮しますが完全に平等にすることは出来ません。こうした背景からも、80%支給というのが妥当であると決めたのです。また、入社間もなく有給休暇の権利を有していない人もいます。また病気などで有給の消化が終わってしまい権利が消滅している人もいます。こうした人たちの生活を守る必要もあります。そのためにも法令に対し会社が少し足して8割を支給することは大切です。社員満足度の向上は極めて重要であり、私が経営の根幹に置くものです。しかし、こうしたケースのようにある割合の社員さんには満足であるが、残りの社員さんには大きな不満になるケースが存在することも事実です。こうした折には「痛み分ける」この考え方が非常に重要だと考えています。「三方良し」もしくは「三方一両損(会社が若干損をする)」の考え方です。

  1. 有給休暇の取得

 自宅待機は会社からの指示です。従って、法令に20%足した80%の賃金を支払うことで自宅待機となりますが、中には給与の減額を望まない社員さんもいらっしゃいます。その場合には有給休暇の取得をしていただくことも可能です。また出勤の依頼をしましたが生産調整日の機会でしかできない私用がある場合などのケースで有給申請をする場合もあるでしょう。いずれにしても有給休暇は、会社が取得指示が出来るわけではありません。会社には、夏の暑い時に体を休める目的で有給促進日を設けています。この場合にも有給申請はしたくないということであれば、休業申請により休業を取得すること(この場合も8割支給)も可能です。

 その上で、②③いずれを選択するにせよ、申請書を書いていただく必要があります。計算をする総務は各個人が有給休暇なのか、休業なのか申請書がなければ識別することが出来ないからです。

 最後に現状多くの生産調整日を設けなければならないほど受注が充足されていないことを申し訳なく感じています。そこで今年度は受注拡大に向けた行動も起こしていきます。

 こうした受注不足の背景には半導体不足による生産調整、特に自動車産業の調整が大きく起因しています。コロナ禍に入り、生産が落ち込みましたが「いつか必ず元に戻る」「必ず挽回生産が行われる」こうしたお客様の言葉を信じて生産ラインを空けて待っていましたが、既に2年以上が経過しています。また、新たな受注を取り込んで急に受注量がコロナ禍前に戻った場合。休日操業をしなければならなくなることも考えられました。社員さん、ご家族の皆様と「二度と休日操業はしない」との約束もしましたので、いつ来るかわからない繁忙期のために生産能力を温存してきました。これが真実です。しかし今、新たな設備投資により生産能力も増えています。設備の更新によりトラブルが減少したこのによる機会損失がなくなったためです。従って、仮に1割程度新規受注を増やしたうえで繁忙期が到来しても十分に供給責任を果たすことは出来ます。こうした背景から、積極的な新規受注を進める決意をし、既に営業活動をスタートしています。

 何であれ、生産能力は増えたのであるから値下げして欲しいというお客さまがあったとしても絶対に応じることはありません。何故なら、機会損失がなくなり生産性は確かに向上していますが、一方で「減価償却費」は大きく跳ね上がっています。当社の現状での減価償却費は15円/kg程度です。この費用はキャッシュとしては残っていく費用ですが、いつの日にかやってくる設備更新に絶対に必要な費用だからです。この先も安定供給がしっかりできるためにも絶対に必要な費用だからです。

 今日のブログは少し長くなってしまいましたが、調整日における勤怠の取り扱いは非常に大切なことだと考えます。そこで今一度しっかりと説明をさせていただきました。その上で、現状の受注が十分でないこと、新規設備により生産能力は向上しており休日操業することなく10%程度の受注拡大が可能であると判断し、1月より新規受注活動を再開したことを説明させていただきました。

 今一度月曜日の朝礼でも話しますが、このブログを読まれた社員さんは、もしも理解していない社員さんがおられたら私に変わって説明いただけるとありがたいです。そして受注を増やす活動も始めたらしいと加えて伝えていただけたら嬉しいです。

社長 松原 史尚

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