「経営理念・企業理念」

「経営理念・企業理念」

4月4日(火)

 昨日のブログでわが社の社会的役割を変更したことについて綴りました。今期、企業理念も変更しています。

 経営理念は「人を大切にする」であり「不変」の理念です。一方で「企業理念」は不変の経営理念を礎として、その時代に即して変更していくものと考えています。これまでの経営理念は「世界の部品素材を支え、世界平和の実現に寄与する」というものでした。中小企業が世界平和の実現というような大きな事とは無縁であり語る資格もないと思われるかもしれませんが、私はしっかりこの企業理念を謳うに十分な働きをしたと思っています。

 この経営理念を掲げた頃、マツバラは自動車部品を中心に大量生産、大量消費型の製品を製造していました。しかし、日本のモノづくりが人件費の安い新興国にどんどん移されていく中で、こうした大量生産商品は「現地生産」という形で同じくどんどん海外にシフトされていきました。こうした中で、日本のモノづくりが目指した方向は「多様化」そして環境にやさしい高燃費のための「軽量化」でした。マツバラの小物、薄物技術が活かされました。また、新興国では今尚30年も40年も使い古された車が走っています。それは移動のための手段でなく、生活を支える仕事に欠かせない車として使用されているのです。これは極端な事例ですが、自動車に限らず、農業機械、産業機械、ガス・水道等のインフラ関連、こうした全ての分野で生活「命」を支える小ロット部品の生産が出来るようにしてきました。世界ではSDGsという言葉を知らない人がいなくなりました。SDGsの目的は人の尊厳であり、世界平和の実現でした。そのための部品が出来るようになったことは、まさに「世界平和の実現に寄与する」ことが出来たと考えています。

 この企業理念のもとに培った技術力を活かして新たな時代のモノづくりを進めていきます。新たな企業理念は「三方良し=社員満足・顧客満足・地球満足」です。昨日の社会的な役割でも述べましたが、この先は大きな時代の変化が起きてきます。「脱石油」という想像もできないような社会です。AI DX の時代の中でも、鋳物づくりは絶対に必要なのです。しかし、そしてその働き手の確保は非常に困難を極めていくことは間違いありません。それでも、鋳物づくりは世界が求める「勤労」です。安定的に、そしてこれまでの企業理念の下で培った納期。技術・品質で製品の提供が確実にできれば、鋳物造りは世界に「ありがとう」と言われる仕事に必ずなります。この勤労に対する対価をしっかりと受け取り、世界からありがとうと言われる人生を送る。その上で、地球にも優しい鋳物づくりを進めていく。社員さん、お客様、地球(社会)、その全てが適正な恩恵を受け、誰も不利益を被らない企業経営を進めていきたいと考えています。「世界平和」そう最初に謳った時には、「意味不明」「理解不能」であったと思いますが、継続して目指していけば必ず「形」は出来てきます。

 もともと当社の社章は墨俣の一夜城を築城した松原内匠芸定(よりさだ)の時代からの家紋を用いておりその所以は「三方良し(吉)」です。

(写真は墨俣一夜城資料館より)

松原内匠 – Wikiwand

 新たな期の始まりです。必ず、良い一年に出来ると信じています。昨日の朝礼でも、先ずは初めの一歩を踏み出す話を「顧客満足」「地球満足」の両面で話させていただきました。その先には、大きな社員満足が必ず見えてきます。

社長 松原 史尚

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